ひんぷん

阿佐船頭殿の石垣

座間味島2日目。

レンタカーを返す前に、島の東側にある阿佐集落にちらりと立ち寄り。

googleの地図では出てこないので便宜上お宿にピンを置いてますが、この宿の向かいに、史跡「阿佐船頭殿の石垣」がありました。

ふくぎ並木

集落に入る時のフクギ並木が美しい。
この車がなければ「沖縄の並木イメージ」としての売れる写真が撮れたかなあ。ははは。残念。

この日はこのフクギの奥にある阿佐船頭殿の石垣付近を、地域の方々が大掃除中でした。
年末だからですかね。

 

阿佐船頭殿は風街港として栄えた阿佐集落の、有力者のおうちだったようです。

案内板

沖縄は島ごと、下手したら同じ島でも集落ごとに言語が違うので、ここの言葉をしゃべる人たちがここの歴史を紡いできたのだなあと感無量。

先祖代々の言葉が失われて行くのを見るのは、ただただせつない。
アイヌ語もそうだけど、うちなーぐち(琉球諸語)のネイティブも、もういなくなる一方だよなあ、と。

前に函館市北方民族資料館で樺太アイヌだったかどっかの離島のアイヌだったかの音声ファイルを聞いて、たぶんユーカラだと思われるその不思議な音色をこの世の誰ひとりとして理解ができないっていう現実に、淋しくて淋しくて涙が出たことがあるのだけど、あの感覚を思い出す。

残された音声すら、誰も解読できないて。
言語は民族のアイデンティティそのものなのに。
文化を消すって罪深い。

沖縄の言語もいずれそうなっていくのだろうか。

旧ヘブライ語みたいに儀式だけに使われる言葉になっちゃうのかな。

ひんぷん

敷地には大きな屏風(ヒンプン)が。
ひんぷんの大きさから、屋敷の大きさもかなりのものであっただろうと推測できます。
ここまで大きなひんぷんは沖縄でもあんまり見ないです。

ひんぷんは魔除け 兼 目隠し 兼 風除けetc.。

沖縄の魔物(マジムン)はまっすぐにしか進まない生き物(?)なので、家の前にはひんぷんを置いて魔除けとしたらしい。
ちなみにT字路の突き当たりには、石敢当(いしがんとう)という魔除けアイテムが置かれます。
ホームセンターには表札と並んで石敢当コーナーがあるので、他県民には不思議な光景かも。

ヒンプンについては男性は右から、女性は左から家に入っていくそうですが、私の知人にひんぷん付一軒家に住むようなセレブはいないので、入る機会がないです。

那覇市内でも古い地区だと今でもひんぷんのあるおうちを見かけます。
だいたい、旧家の豪邸な。

ひんぷんは生垣だったり簾とかよしずみたいな垣根だったり石だったり、おうちによって個性があって興味深い存在です。
見てるとすっごく楽しいんだけど、人んちなので写真が撮れないのと不審者と間違えられそうなのが欠点ですな。笑

珊瑚?石?

この謎の石が何なのか分からない。
一瞬サンゴの化石かな?とも思ったけど、柱状節理っぽくもあるし。

情報大募集中です。
(誰も来ないサイトなのに。笑)

げーん

入り口の結んだワラみたいなものは、ゲーンといいます。
これも魔除け。

サンとゲーンとシバサシの区別が長らくついてなかったんですけども、おうちの四方に置くものはゲーンというらしい。
ススキを3本結んで作ります。

食べ物のおすそ分けにつけるのは、サン。
(1本で作る。紐で代用するご家庭も)

食べ物が傷まないように魔除けとしてつけるらしく、ご近所さん2号からおかずをいただく時は割り箸の袋なんかでちゃちゃっと結んだサンが添えてあって、ほっこりします。
食べ物を腐らす魔物を撃退しとるんだそうです。

▼過去記事より。上にちょこんと乗っているのが、サン。
重箱

シバサシは旧暦8月9日~11日の行事で使うもので、ゲーンに桑の葉がついていて、やっぱり家の周りに置いて結界を張るらしい。

察するに、サン→ゲーン→シバサシの順で魔力(?)強うなってる気が。

▼琉球新報のサイトより

柴差し。旧暦8月10日ごろに行われる行事。ススキの葉で作ったサンと桑の枝を束ねたものを門や家の軒、屋敷の四隅、畜舎、穀類入れ容器などに差し、悪霊の侵入を防ぐ。小豆入りのカシチー(強飯)を神仏に供え、家族の健康祈願をする。

▼過去記事より。シーズンになるとお店で売られているシバサシ。
しばさし

阿佐船頭殿の石垣、本当は中に入って見学してみたかったのですが、個人的な事情により断念。

私は霊感など微塵も持ち合わせておりませんが、廃墟とかお墓に行くとよく熱を出す体質なのです。なぜか。

遠くから美しい石垣を眺めて終わりました。
美しくて心が震えます。
憧れのアイドルを眺めるあの感じ。(チョットチガウ)

以上、奥深き琉球文化の一部でございました。

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